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2016.07.04

村上範義さんによる「イベントの企画」レポート!


6/4(土)第3回目は【イベントの企画】。

ゲスト講師として、
株式会社W mediaの代表取締役を務める
村上範義さんにご登壇いただきました。


W mediaは「日本のガールズカルチャーを世界へ」というメッセージをもって、
主にF1 層(20 ~ 34 歳)をターゲットにしたイベント企画・運営、
PR・ブランドコーディネート事業を展開している会社。
「W」には「Woman」「Worldwide」「Wonder」なメディアを
つくっていくという想いや、上に末広がりで「V」(Victory)が連なり、
さらに安定して倒れにくい形であるということなど、
さまざまな意味が込められているそう。


「ネーミングは大変重要で、会社や企画はその名前の通りになる」
という、村上さんの「ネーミング」に対する強い思い入れを
伺うことからこの日の怒涛のような講義は始まりました。


東京ガールズコレクションというムーブメント。

2005年8月に初めて開催され、
今年9月には23回目を迎える史上最大級のファッションフェスタである
東京ガールズコレクション(以下TGC)。


プロジェクトの立ち上げから深く関わっていた村上さんは、
当初から「ムーブメントを生み出し、経済にも密着する」
という一貫したビジョンを掲げ、多くの人々を巻き込み、
夢を共有することでそのイベントを束ねてきたと言います。


当時世界のファッションショーの常識である5大コレクションでは、
その権威はデザイナーにあり、フォーカスされていたのもデザイナーでした。
しかし、階級なくみんながフラットに服を着こなすという
日本のファッション文化の背景から、「作り手と着る人が近しい」
「象徴としてのファッションではなく、見たその場で買えて・着て楽しめる」
という、より開かれたファッションショーをつくることに挑戦し、
そこに絡めたさまざまな企画によってTGCは市場を捉えることに成功しました。


「村上範義」という人。


雑誌(出版社)の垣根を破り、多数の人気モデルを集めること。
単独コンサートしか開催しないようなトップアーティストを呼ぶこと。
業界のトップクリエイターとタッグを組むこと。


チーフプロデューサーという立場で
常にその壮絶な交渉の最前線に立ってきた村上さんの発する言葉は、
とにかくスピード感にあふれ、迷いがありません。


・遊ぶことは実は知的な行為。
食事にも打ち合わせにも、そのすべてに
エンターテインメントをつくることで、自分も相手も、
そこにいる全員が楽しい状況を立体的に生み出そうとしていた。


・学生時代に会社を起こしていたが、大きなベンチャーでの社長秘書や、大企業への就職も経験。
「ベンチャーでは、判断に1カ月かかったら会社はつぶれる」。
雇う側と雇われる側は全く異なると実感した。


・TGCを立ち上げてから、ブランドやスポンサー、代理店、タレントなど、
幾多のステークホルダーとの電話200件を6年間やっていた。
1,000本ノックはやはり大事で、1,000の経験ができ、1,000の解決策が出せる。
起こるトラブルのほとんども乗り越えられるようになる。


説得力のあるメッセージは、
実体験からしか生まれ得ないことを強く感じた前半の講義でした。


まずは受け入れる。


後半の課題講評では、ひとりひとりの企画に対して、
まず「いいね!」「おもしろいね!」と答えてくれる村上さん。


「結構影響受けやすいんですよ、僕。まずは受け入れるんです」


前半の経営者としてのピリッとした空気から一転、
一気に親しみを覚えさせるその姿勢に感銘を受けた受講生も多数。
全体をとおして、村上さんという人の魅力と、
コミュニケーションの核を感じた3時間でした。


次回は、編集者・綾女欣伸さんの【編集の企画】です。



協力会社:株式会社W media
写真:山口こすも
フォトプロデューサー:片岡圭史
Web協力:KNAP
デリバリーサービス:NEW PORT