Kikakumeshi

企画でメシを食っていく

ニュース makikomi tsunagari tasukeai

2016.12.06

沼田晶弘さんによる「教育の企画」レポート!


9/10(土)第10回目は【教育の企画】。

ゲスト講師として、
現役小学校教諭の沼田晶弘さんにご登壇いただきました。


挙手を求めない、MC型授業とは。

今回の講義は、実際の授業の進め方や、
先生としてクラスをまとめていくための極意を、
実例をもとに紹介していただくところからはじまりました。


・わざわざ手をあげて発言して、
失敗した時のリスクを考えたら、
誰も口を開きたくないですよね。
だからまずは、言いやすい環境を
作ってあげることが大事です。


・手をあげる人は、絶対に指されたい人。
そうじゃない人も指します。これを続けると、
どうせ指されるならと、手を挙げるようになるんです。


・つぶやきはTwitterで公表される時代。
授業中、子どもたちのつぶやきは、
番組のMCみたいに、どんどん拾って、広げちゃう。
国会のヤジみたいになっても困るから、
その辺りはバランスをとりながらやります。



まずは褒める。
やる気を引き出すために、
自分自身で目標を決めさせる。
積極的に授業に取り組みたくなる、
子どもたちの意欲を引き出す背景には、
沼田さんのさまざまな工夫がありました。


Another Goalを設定する。


頭ごなしに「勉強しろ!」と伝えても、
反抗期の子どもたちには効果が現れにくいもの。
そんな時、目標を達成させる方法の一つとして、
本来のゴールとは別に、意欲を引き出すために
もうひとつのゴールを設定する、
「Another Goal」の考え方を教えてくださいました。


・最初は「クラス全員で、卒業遠足に行こう」
→「高級ホテルで食事をしよう」
→「そのための資金を自分たちで集めよう!」
というところからはじまりました。


・テレビ番組への投稿やコンテストへの応募を、
「プロジェクト」として重ねていきました。
誰かのひとつの成功がクラスみんなのやる気と自信につながり、
次々とプロジェクトを立ち上げては挑戦する日々。
最終的には、目標金額を大幅に超えて達成することができ、
実際に高級ホテルでのディナーが実現しました。


・本当の目的は、
学力向上と自己効力感をつけること。
それが、プロジェクトでの目標達成という、
もうひとつの「ゴール」を目指し続けた結果、
本来のゴールに突き進んでいけたという事例です。



「こんな先生に教えてもらいたかった!」
「小学生のときにこんな授業を受けてみたかった!」
受講生の誰もがそう思う、アイデアの数々。
そんなリーダーシップのノウハウは、教育現場だけでなく、
職場や日常生活の中でも応用できそうなものばかりでした。


外の世界を見せる、という教師の役目。


教育をどのように捉えていますか?
という阿部さんの問いに、
「“教育”をやめて“育育”にしたいと思っています」
と答えてくださった沼田さん。


・外の世界を見せてあげるというのが、
教師の一つの役目かなと思っています。


・子どもたちの殻を破ってあげると、
すくすくと育っていくんです。
たくさんの刺激をもらうことができて、
教えている自分までもが育ちます。
だからこそ“育育”の状態が理想ですね。



企画のアイデアのヒントだけでなく、
チームのまとめ方、
人を惹きつける話し方、
人との接し方や向き合い方。
沼田先生から多くの学びが
得られた濃密な3時間でした。


次回は、ブルーパドル 佐藤ねじさんによる、
「発明」の企画です。



ライター:滝本菜月
写真:八木伸司
フォトプロデューサー:片岡圭史
Web協力:KNAP