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企画でメシを食っていく

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2017.04.06

「企画でメシを食っていく2017」プレイベントvol.1レポート(後半)


第二部:企画メシってどう?

「企画でメシを食っていく2017」プレイベントvol.1、後半のレポートです。
(前半のレポートはこちらです)


「企画メシってどう?」をテーマに、昨年の受講生4名の方にお越しいただいてお話を伺いしました。実際に受講した立場だからこそわかるリアルな企画メシストーリーをお届けします。


〔企画メシ二期生〕
写真左から
・高橋琳太郎(「企画でメシを食っていく2016」受講生/横浜市役所)
・豊田弥生(「企画でメシを食っていく2016」受講生/プランナー)
・丸橋俊介(「企画でメシを食っていく2016」受講生/ムードメーカー)
・りゃんよ(「企画でメシを食っていく2016」受講生/イラストレーター)
〔司会〕
 阿部 広太郎:「企画でメシを食っていく」主宰 コピーライター、モデレーター


4人の「踏み出す」ストーリー。

高橋:僕は企画メシメンバーで初の市役所勤務でした。 働いている中で「市役所の中でも何か企画したい」、「自分から企画をするにはどうしたらいいんだろう」という気持ちを抱くようになって、でも自分は企画書を作ったことがないからその方法が分からない。そんな時に出会ったのが企画メシでした。
企画メシのコンセプトである『巻き込み、繋がり、助け合い』という言葉に共感して、企画のつくりかたや、他の部署の巻き込み方を学びたいと思い、受けることにしました。

豊田:私は、何者かになりたかったんです。30歳の時に、あと2年で何者かになろうと決めていて。そんな時にフェイスブックで流れてきたのが企画メシでした。見た瞬間に「これはやるしかない!」と思いましたね。
講義では12回のテーマがバラバラなのが、とても良かったです。自分の琴線に果たして何が触れるのかを試してみたくて受けたというのもあります。

丸橋:僕は、阿部さんが講師を務めている宣伝会議の『コピーライター養成講座 先輩コース』を受けていたんですが、そのクラスに近藤雄介君というコピーライターがいたんです。同じクラスの中でも、彼の出す企画書やコピーに圧倒されました。これまで、小中高と同じクラスにいる子に負けたくないというプライドがあったので、どうしたらその近藤君との差を縮められるかを考えたときに、「企画メシに通えば差がつけられるかもしれない!」と思って、即申し込みました。
そして、企画メシに来たらまさかの近藤がいて(笑)。

阿部:ドラマの第一話みたいだよね(笑) りゃんよさんはどうですか?

りゃんよ:企画メシを受けた時は、フリーランスで5年目でした。普段は編集者さんや広告代理店さんが私のホームページに掲載しているイラストを見て「これ書いて」って発注がくる感じだったんです。でも、そういう受け身ではなくて、自分はこういうの描きたいなって思った時にどう企画にのせたらいいのかを知りたくて、申し込みました。あとはクリープハイプの尾崎世界観さんが講師で来るとわかって「これはもう受けるしかない!」と。


圧倒される人間力と言葉に触れる。


阿部:みなさんが印象にのこっている講義はなんですか?

高橋:僕は「お笑いの企画」を担当したキングコング西野亮廣さんの講義ですね。西野さんはテレビで見ている芸人のイメージしかなかったんですが、講義を受けて、そのイメージが大きく変わりました。
西野さんの仰っていた「信用の面積をひろげていく」という言葉が強く心に残っています。「アイデア自体の価値は0円。なんでもいいから行動していくことで、それが信用の貯金になっていく。ただで行動しただけでもそれが貯金になっていたら、最後にはお金につながる」その考え方に影響を受けました。

豊田:私は、それぞれの講義を受けて、自分に「はまる・はならない」が結構わかれていて、職人的、アーティスト的よりも、ビジネス的な経営者の方のお話が自分の興味範囲なんだなと分かりました。
その中でも東京ガールズコレクションの企画・制作をしているW TOKYO代表の村上範義さんの講義「イベントの企画」に影響を受けました。「東京ガールズコレクションというネーミングがビジョンとつながる」とか「ピラミッドのトップからおさえていく」とか、どんな企画にも通じる、でも忘れがちなことを言語化して教えてくれて、とても記憶に残っています。

丸橋:僕も「イベントの企画」ですね。村上さんの経営者の視点もすごいなと思いましたが、人間力にも圧倒されました。『企画は1,000本ノック』という言葉をおっしゃっていましたが、とにかくインプットしたことを自分なりの企画に変えて1000本ノックのようにアウトプットしていくスタイルや、いつも誰かから電話がかかってくるプロデューサーとしての信頼度の高さなど、とても人間力がにじみ出ていて、講義会場中がそのオーラで覆われているような感じがしました。みんなのパソコンやペンの音が立体的に聞こえてくるくらい、一体感があったと思います。

りゃんよ:私は全部印象に結構残っています。なんで全部かというと、受講生みんながちゃんと自分を分析して、自分は何で勝てるのかを軸としてもっているのを、毎回感じていたからです。その中で『自分はどうしたらいいんだ』っていう疑問に対して、毎回『正解はない』っていうのを講師の方の話から感じられて、印象的でした。
あとは、バーグハンバーグバーグのシモダテツヤさんの「WEBの企画」では、シモダさんに会った瞬間に「あ、この人モテるんだろうな」と思うくらいシモダさんが面白すぎる人で衝撃でした。自分のことをちょっと面白いと思っていた受講生が、講義後にショックで心折れるくらい(笑)。

阿部:講師の方がつくられる企画自体もすごいけど、人間性からも学ぶことがたくさんありますよね。

りゃんよ:企画メシに来るゲスト講師の話を聞けるのは、つまり、阿部さんがこの場に呼ぶためにとても努力して壁を突破してくれたからだと思うんです。そのおかげで、自分だったら扉を何回も開けないと聞けない話を聞くことができるんです。


マインドが変わると自分の環境も変わる。


阿部:企画メシに参加してどんなことが変わりましたか?

高橋:結構自分のマインドが変わりました。僕はもともと引っ込み思案なところがあったのですが、自分の好きなものが言えるようになりました。そうしたら、それに反応した人が集まってきて、そこから繋がりができて、さらになんかやってみようかという話にまで発展して。自信がなくても、自分の関心あることを発信すると、同じような気持ちを持つ人が寄ってくるんだなと分かりました。そういう意味で自分のマインドがポジティブになったと思います。
企画メシのみんなは自分個人で企画したり、営業したりする人が多いけど、僕は組織の中で自分の立ち位置をどうやってつくっていくかも同じように企画を通じて考えられるんじゃないかと思っています。自分はこれできます、これが好きです、と発信すれば、それを拾ってくれる人が組織の中には誰かしらいて、話を振ってくれる。そういうことを続けていくことで、信用の貯金や面積が増えていくのかなと感じています。


「プランナー」と名乗ることへの決意。


豊田:私は明確に「自分個人」を意識するようになったと感じています。企画メシで自分の職種を企画書の表紙で書くのですが、その時、自分の職種をなんて書けばいいかわからなくて。わたしはずっと営業をやってきて、今はメディアの編集をやっていますが、編集者でもないし、営業と書くのもなんだか違和感があって。個人として会社を飛び出たときに、自分が何者なのかをとても考えました。最初の3回くらいは企画書の表紙にはいろんなことを書いていたのですが、今の「プランナー」におさまったのは、自分なりのプランニングをしてごはんを食べようと腹をくくったからです。なので、このプランナーという肩書には、自分の中の決意がこもっています。


「この指とまれ!」が自分の強みだと気づいた。


丸橋:僕は、自分のキャラクター特性上「今度飲もうよ」とか「楽しいことやろうよ」とかその場を口だけで適当にごまかしてしまうノリの人間だったのですが、企画メシに通って、アイデアをアウトプットする大切さを痛感しました。ただアイデアを言っているだけじゃなにもはじまらなくて、まずはカタチにしなきゃという気持ちが芽生えるようになりました。言ったことに対して責任を持とうと。だから「今度飲もうよ」となったらすぐに手帳を出すとか、「楽しいことやろうよ」だったら具体的に何をしようか考えるとか、アイデアをカタチにするためにちゃんと時間をとっていくスタイルに変わりましたね。
最初はプライドが高くて、「俺が俺が」という感じで負けたくない気持ちが強かったのですが、今は、自分は何ができるかを見極める力がつきました。自分は『この指とまれ!』と第一声を出すのが得意なので、自分が人を集めて、最適な人をスタッフィングしていく、巻き込んでいくのが合っているなと気付いたんです。


企画メシは「生もの」。だから今も忘れられない感覚。


りゃんよ:私はフリーランスなので、ライバルが見えないし、同年代が今どれくらいのレベルなのかが分からなかったんですが、受けてみて本当にみんな企画が面白くて衝撃だったし、自分がどの分野が向いているのかも見えてきました。企画メシを通じて「自分はアテンションをとるのが得意」とわかったし、講義では「自分の一個の武器だけあればいいんだよ」という言葉ももらったので、「じゃあ自分はもうその分野に行こう」と覚悟ができました。
今はネットも本もあるし、情報が溢れているけど、実際に参加することで触れた、受講生にできる限り伝えてやりたいという阿部さんの気持ちや、尾崎さんの講義を受けたときの感覚とかは今でも残っていて。それって、この場が “生もの”だからこそ感じられるものだと思うんです。すごく触発されて、自分も誰かに直接教えたいという気持ちを抱きました。それから、企画メシ期間中に自分から動いて、この春から京都の美術大学の講師のお仕事をすることになりました。


自分がどこまで食らいつくかで価値は変わる。


阿部:これから受講を検討している人に伝えたいことはありますか?

高橋:受講生の仲間も講師だと僕は思っています。出す企画の熱量はみんなすごいし、僕が20枚の企画書を出したのに対して、80枚、100枚作ってくる人もいて。そこにやる気とか悔しさを実感して、さらに学ぶこともあります。企画初心者の人にはとても刺激になる場だし、企画をすでにバンバンやっている人は実際の仕事に繋げられている人もいるので、企画をやりたいとモヤモヤしている人であれば、誰でも受ける価値があると思います。
ただ仕事をやりながらだと結構きつい部分もあります。寝ずに企画書つくるのは結構みんなやっていたと思います(笑)。でもそれくらいの価値はあります。

豊田:私は企画メシの半年を振り返ると『決断』の連続でした。企画メシにエントリーしたのも一つの決断だし、毎回課題はつらいけどその時間の使い方も決断だし、課題の提出形式もフリーなので、自分が勝てる切り口とか、講師の方の評価ポイントとか、そういうすべてを考えて決断していたなと。普段仕事をしている中ではなかなかない決断が多かったです。今日ここに来てくださっているのも1つの決断ですよね。何かそういった決断をして、半年で自分を変えたい方にはすごくおススメです。

丸橋:この講座のいいところは、いい仲間に出会えること。みんな属性が違って、30名全員似てる人がいない。12回講義をして、毎回いろんな人と話していると時間が足りないから、朝まで飲み明かしたことも(笑)。社会人になると、新しいコミュニティに入ることはあまりないと思いますが、企画メシでは自分以外の29パターンの属性に出会うことができます。そこからつながりが広がっていくと、途方もない数の選択肢をもらえると思います。
課題は2週間に1回出てつらいですし、妥協はいくらでもできますが、妥協するとみんなの前でさらされて『あいつ飲み会のとき元気なのに、企画書ではこんなもんか』とみられるのは怖いから、頑張らなきゃとなりますね(笑)。課題へのモチベーションを持っている30人だから、下手なもの見せられないなという気持ちで毎回乗り切っている感じがすごく熱かったです。

りゃんよ:企画メシの講義は受けるだけでもためになりますけど、自分がどこまでがっつけるかでも価値が変わってくると感じています。私がクリープハイプのグッズの仕事を出来たのも偶然じゃなくて、尾崎さんが講師のとき、もしかしたら名刺を渡せるかもしれないと思って、携帯版のサイトもその日に間に合うように急ぎで作り上げました。それで尾崎さんが名刺と携帯版のサイトを見て、気に入ってくださって仕事になったんです。
みなさん、お目当ての講師がいると思うので、自分のがっつき次第でいくらでもできるし、一方、受講料以下の経験に終わることも自分次第で。課題を出して終わりではなく、自分がどこまで食らいつくか、どこを目指すかを意識して受けた方が良いと思いますね。

阿部:毎回課題を出すのがゴールではなくて、課題を手段として関係性を作っていくのがゴールですよね。受講する方には、この場をステップアップの良い踏み台にしてもらえたらな、と思っています。受講できた、という事実で達成感を味わうのではなく、むしろそこからがスタートで、また講座が終わってからもスタートなんだと思います。


参加者の方からいただいたご質問。


Q.みなさん日々忙しいかと思うんですが、その中で課題はどう時間をやりくりしていましたか?

丸橋:僕は課題が出たその瞬間、熱量が覚める前にまず土台をつくっていました。あとは、この時間は課題の時間にしようとあらかじめ決めておいたり、この日は寝ないでやる日だなと覚悟してやっていたり。隙間の時間も活用してEvernoteでアイデアメモを書き溜めたりもしました。仕事の忙しさを言い訳にせず、全部出すんだという気持ちで取り組みました。

Q.人生には“やらなきゃいけないことをやる時間”と“自由な時間”があるかと思いますが、講義を受けて、みなさんの自由な時間は何か変わりましたか?

丸橋:やらなきゃいけない時間が普段の仕事だとすれば、自由時間は“自分の仕事”をする時間だと考えているので、土日は自分の好きなことを仕事にできる日にしようと思っています。例えばイベントを主催したり、企画メシの同期とアイドルPVを一緒につくったりとか。そういう自分の会社の仕事ではできないことを、土日に「自分の仕事」としての時間にするよう変わりました。

阿部:「自由」は「自らに由る」と書くように、自分の足で立って歩いていくことです。自由であることは、つまり、目の前のことを面白がれること。自分から向かっていくこと。それが企画する力にも繋がります。そういう「企てる力」がつくと、生きていく毎日が自由になっていくと思います。




「企画でメシを食っていく2017」プレイベントvol.1レポートいかがでしたでしょうか?
エントリーを検討中の方の背中を少しでも押すことができたなら幸いです。


応募に関する情報は以下の通りです。


■応募締め切り:4月10日(月)正午
■応募はこちらからどうぞ。
http://kikakumeshi.jp/news/article170303.html



みなさまのご応募を心よりお待ちしています!



ライター:本山香菜子(2期生)