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2018.08.07

菅俊一さんによる「観察の企画」レポート!


5/19(土)第2回目は【観察の企画】

2018年の企画メシ、
今期はじめてのゲスト講師としてお迎えしたのは
研究者であり映像作家の菅俊一さんです。


企画生は、事前に菅さんの著書『観察の練習』を読み、
当日どんなお話が聞けるのか心待ちにしていました。



「観察」の原点である学生時代。


菅さんの観察の原点は、高校生の頃に読んだ本、
『サウンド・エデュケーション』にあります。
この本の中にある課題、
「目を閉じて、空間にある音を全て書き出す」から、
自分が普段、聞こえているはずの様々な音を
捨て去っていたことに気付いた菅さん。


何かひとつのことにフォーカスを当てるだけで、
物の見方が変化することに興味を抱いたといいます。



さらに、所属していた吹奏楽部では、
同年代へ指示する立場になり、感覚的な指導ではなく、
楽器や身体の知識から考え抜いた指導によって
演奏が上達する様子から、
「仮説を立て、メニューを組み、検証する」という
ロジックな過程に面白さを見出したそうです。


吹奏楽部での音楽を経て、一人でできる音楽を求め、
プログラミングによる音楽作成の環境のある
慶應義塾大学のSFCへと進み、
その後、佐藤雅彦さんの研究室へ。


音楽は「音を配列するシステム」であるという考えから、
あらゆる分野のシステムを勉強し音楽へ生かすことにしたそうです。


すべてのものに理由がある。


大学院に進学し、認知メカニズムの勉強をしたのち、
研究を続ける道ではなく就職を選択することにしたとき、


(1)面白い商品を作っている=面白い人かシステムがある
(2)あまり大きくない会社=経験を増やす、打席に立つ
(3)教育に関心がある、教えることや伝えることに興味がある



という考えから知育玩具の会社へと就職を決めます。


「曖昧さを残すと後悔するから、なんとなくは禁止する」


会社選びにおいてもロジックな思考を徹底する
その姿勢を企画生一同、感じた瞬間でした。


新しいことを生み出すことは、才能ではなく技術。


「才能というものを信用していないんですよ」と菅さんは言います。


何か新しいことを考えることは、
生まれたときに決まってしまう才能ではなく
思考技術の領域である、と捉えることによって、
自分のモチベーションになるだけでなく
「ではどういう技術を取得するか」
という段階にいくことができる。


菅さんは、あらゆる気付きをストックすることを習慣化することで
それが日常の一部になっているそうです。
「持たざる者が対抗するには学ぶしかない」
という言葉が企画生の心に刻まれます。


踏み台としての制約を用意する。


現在は映像の制作や、多摩美術大学の講師も務める菅さんですが、
制作する際には、「制約」を意識しているとのこと。
例えば、何か面白いもの探すという漠然とした課題から、


面白いものを探す→赤いものを探す→四角くて青いものを探す


というように、


「踏み台としての制約を用意することで方向性が定まる。
自分が乗りやすい制約を考え、さらに味方になってもらうことが大切」


だと語ります。


さらに、


「アイデアは直感ではない、ロジックでジャンプ台を高くし、そこから飛ぶ」
「『気付き』と『課題』は両方大事、行ったり来たりの柔軟さが大切」
「深堀りするためには実際にやってみることが一番で、机上の空論より、まず『試す』ことが重要」


菅さんのお話の中には
これから企画する上ですぐに意識して生かすことができるポイントが多く、
企画生たちのメモを取る手が止まることはありませんでした。


近道はない、例外もない。愚直にやるしかない。


最後、モデレーターの阿部さんから
「菅さんにとって企画とはなんですか?」という質問に、
「何か特別なことではない」と答えた菅さん。
アイデアを出すということは日々当たり前にやっていることであって、
歯を磨くことと同じように「日常」であるといいます。


「いい仕事をする人にショートカットをする人はいない。
近道はないし、例外もない。誰よりも試して、愚直にやるしかない。」


菅さんの徹底されたロジカルな思考と、
愚直に試し続けるその姿勢に刺激を受けた企画生。


今回の課題と講義を終えて、
日常の小さな気付きを見落とさないようメモをし、
SNSで発信し始めた人もいます。
これからの企画づくりと、企画メシで過ごす半年間の
大きなヒントを得た講義でした。


講義の詳細はこちらの記事でも。
どっちがアイデアを出しやすい?「制約」を味方にする発想法



次回は、脇雅昭さんの「公務の企画」です。



ライター:皆川真麻
写真:加藤潤
Web協力:KNAP