- 2016.10.18
森永邦彦さんによる「ファッションの企画」レポート!
7/30(土)第7回目は【ファッションの企画】。
ゲスト講師として、
「ANREALAGE」の森永邦彦さんにご登壇いただきました。
今日のBUKATSUDOはいつもとすこし違います。
森永さんがこれまでつくられてきた、
ANREALAGEの洋服を展示してくださいました。
「今日はどんなお話を伺えるんだろう?」
そんな期待感の中、講義がはじまりました。
ブランド名「ANREALAGE」に込められた思い。
大学在学中にバンタンデザイン研究所に通い、
服作りの技術を習得されてから
自身のブランドを立ち上げた森永さん。
そのブランドに込められた思いを伺いました。
・ブランドをはじめた当時から、
一つの日常というものをどう違う視点から壊し、
揺さぶっていくかということをテーマにしていたので、
『A REAL-日常』と『UN REAL-非日常』を組み合わせています。
・また、ファッションは時代で価値観も変わる、
時代に揺さぶられるものなので、大きなテーマとして、
『AGE-時代』を組み合わせてブランド名をつけました。
立ち上げ当初から今も変わらない「常識を疑う」という精神。
ファッションが持つ「規範」や「当たり前」を
疑うことから生まれるコレクションの数々は、
見る人をあっと驚かせるようなものばかりです。
ANREALAGEとしてのターニングポイント。
コレクションにテクノロジーを取り入れたことが、
一番のターニングポイントだったと語る森永さん。
まったく新しい挑戦での苦難や、
葛藤の一端を聞くことができました。
・相容れない二つの概念を一緒にして、
洋服を作りたいという思いは元々ありました。
極と極を掛け合わせたものを洋服として表現しようと思った時、
ファッションと全く別の分野にあるテクノロジーを
融合させようとしたのがはじまりです。
・全く未知数で、やり方も方法もわからない中、
自身の想像を信じて、失敗しても良いから賭けてみようと挑戦しました。
やりたいと思ったら、その道に向かって走るしかない。
実際に、過去のコレクションを
手にとりながら紹介してくださる森永さん。
紫外線をあてると美しい模様が浮かび上がる服、
一見真っ白く見える布地をフラッシュ撮影するとカラフルに変化する服…
その魔法のような服の数々に、
受講生たちの驚きと感動の表情が広がります。
ファッションの未来をどう捉えるのか。
未知の分野を勇敢に切り開いてきた森永さんに
今後のファッションの行方をお聞きしました。
・当たり前のことをちょっと疑えたときに、
世界が広がる瞬間があります。
・洋服は「人」がいないと成立しない。
でもいま、「人」はあらゆる場所に存在するものです。
映画の中にもパソコンの中にも、
そのあらゆる人格の中でのファッションのあり方がある。
交わらないはずのものとファッションが交わった瞬間は面白い。
服を着る「人」自体のあり方を疑う。
インターネットやSNSで
人々がさまざまなキャラクターを持つ現代において
ファッションは拡張し続けているのかもしれません。
「森永さんにとって『企画』とはなんですか?」
という阿部さんの質問に対して、
・「洋服でこんなことができるんだ」とか、
「洋服がこんな景色を見せてくれるんだ」という、
洋服の可能性を提示できればと思っています。
・洋服はすごい可能性を秘めているものだと思っています。
メディアにもなりうるし、コミュニケーションすることもできる。
そういう視点でどんどん面白いものが出てくれば良いと思っています。
と答えてくださった森永さん。
今後ANREALAGEから、
どのような新しいファッションが生み出されていくのでしょうか。
毎日の服の選び方から、
ファッションの見方まで変わっていくような、
心踊る講義でした。
次回は、コラムニストの犬山紙子さんによる
「コラムの企画」です。
ライター:滝本菜月
写真:八木伸司
フォトプロデューサー:片岡圭史
Web協力:KNAP
デリバリーサービス:NEW PORT