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2017.08.25

UPQ中澤優子さんによる「家電の企画」レポート!


6/17(土)第4回目は【家電の企画】

今回は、企画メシで初のテーマ。
いつも身近にある「家電」の企画です。
カシオ計算機株式会社で携帯電話の企画に携わった後、
家電ベンチャーである株式会社UPQ(アップ・キュー)を
立ち上げた中澤優子さんを講師にお迎えしました。


ものづくりに惹かれた学生時代。


「生粋の下町育ちで、いじめっ子にも果敢に挑むようなガキ大将だった」


そう幼少期を振り返る中澤さん。
大学進学後、将来について具体的な
ビジョンを持っている友人が想像以上に多く、
逆に自分は何も考えていないことに気付かされたと言います。

そして、自分がやりたいと思える職業を
決めなければという強い危機感から、
ひとつ上の学年に混ざり、
実際に就職活動を行っていたという中澤さん。
このエピソードに、モデレーターの阿部さんも受講生も驚愕。



そんな少し早い就職活動で、
メーカーではたらく人々と出会い、その人柄や、
稼ぐことよりも作ることに向き合う真摯な姿勢に惹かれ、
ものづくりに携わりたいという目標ができたと語ります。


カシオ入社後、携帯電話の企画へ。

本番の就職活動では、
「携帯電話の企画を絶対にやりたい」という
強い思いを評価してくれたカシオから内定をもらい、入社。


商品企画部に配属された後に、上司からは…


「一日一つ、まったく違う商品の企画書を提出せよ」


という課題を出されたそうです。
毎日企画を考える日々はとてもつらかった反面、
そこで物事をロジカルに考え抜く姿勢を習得。


そんな中澤さんの企画書の極意は、


「他の企画書と並べた時に、
自分の企画書がいちばん映えるようにすること」


とおっしゃっていました。


携帯事業撤退、カシオ退社後の挑戦。

入社以降ずっと携帯電話の企画に携わってきましたが、
カシオの携帯電話事業撤退に伴い、中澤さんも退社を決意。


しばらく、フリーランスとして働いていましたが、
携帯事業を撤退した会社の経営判断への疑問から
「自分で経営を体験しよう」と思い立ちます。


準備3ヶ月・資金1,000万円が必要だと言われた「カフェの立ち上げ」を、
準備1ヶ月・資金約500万円というスピード感で実現!
経営としても軌道に乗り「やればできる!」という自信につながったそうです。



一方で、テック系のハッカソンに参加し、
ものづくりが辛いことではなく、
楽しいことだとあらためて感じた中澤さんは、
その情熱を胸に、中国の工場などの設備環境の良い変化も目にし、
いよいよ家電ベンチャーのUPQ(アップ・キュー)を立ち上げます。


UPQの立ち上げ。チームでの企画の極意。

UPQでの企画において、
中澤さんが大事にするのがチーム力。
「いいものを作る」という思いを
とことん共有することが大事だと言います。


「全員とコミュニケーションをとること」
「相手が納得するように、しっかりロジカルに説明すること」


これがチームでの企画の極意であると教えていただきました。


プロダクトの企画で大事なこと

今回の課題は「3年後に日本でヒットするスマートフォンを考える」。
受講生が提出した企画も含め、今のプロダクトの企画は、
「機能とデザインに注視しがち」だと指摘する中澤さん。


・3年後の日本の市場背景はどうなっているか?
・そもそも“ヒットする”という定義とは?
・欲しい、買ってもいいと思える境界線は?
・スマートフォンってどんな存在?


たった一行のお題に込められたいくつもの要素をしっかり捉え、
論理的に「売るまでのストーリー」を説明できるかどうか。


これまで以上に「ロジカルさ」が求められた課題講評に、
みな真剣な表情で中澤さんのアドバイスを受け止めていました。


今後の展望について、
「プロダクトとしてお茶目さがあるものをつくっていきたい」
と語っていた中澤さん。


ものづくりに向き合う真摯な姿勢、
ロジカルさを大事にする企画への考え方など、
緊張感もありながら熱さを感じられる講義に、
大いに刺激を受けた3時間でした。



次回のレポートは、「宇宙の企画」です。



ライター:鈴木康平
写真:八木伸司
Web協力:KNAP
デリバリーサービス:NEW PORT