- 2017.11.13
SCRAP 加藤隆生さんによる「謎の企画」レポート!
8/26(土) 第9回目は【謎の企画】
今回のゲスト講師は、
「リアル脱出ゲーム」「リアル潜入ゲーム」を手がける
SCRAPの代表・加藤隆生さん。
事前に「リアル潜入ゲーム」に参加した企画生も多く、
企画秘話を聞きたいと、心待ちにしていました。
「リアル脱出ゲーム」以前の企画体験。
「江戸川乱歩」の読み物に影響を受けていた加藤さんは、
小学3・4年生の頃、「少年探偵団」を結成。
「どうやったら、何かを起こせるのだろう?」と、
学生時代の頃から考えていたと言います。
就職して営業の仕事に就いたものの、2年で退職。
30歳のころに一念発起、加藤さんが、
ボーカル・ギターを務めるバンド「ロボピッチャー」を結成。
バンドをたくさんの人に知ってもらうため、
メディアがあった方が良いと考えて、
フリーペーパー「SCRAP」を立ち上げます。その後、
音楽イベントを企画しはじめ、「kimono music in Kyoto」や、
「デパオク(デパートの屋上)ミュージック」など、
エッジの立った音楽イベントを開催していきます。
大切にしていたのは「価値のない場所に、価値を生む」という発想。
土日まったくお客さんが来ていなかったデパートの屋上に、
500~600人を呼び込むことに成功したなど、この発想が、
閉園後の遊園地でリアル脱出ゲームを行なう企画にも繋がったと言います。
SCRAPは、誰とでも寝る会社!?
「思いついた時ではなく、告知をしてみてから手応えを感じた」
そうリアル脱出ゲームをはじめた頃を語ってくださった加藤さん。
チケットがたくさん売れていく中、
どうしたらキャパシティが大きくなっても開催できるのかを考え、
最初は30人1組だったチーム戦を、6人1組→個人戦…とするなど、
少しずつ、より良い方法を見つけていったと言います。
さまざまな企業や漫画・ゲーム等とのコラボレーションが多いことから、
加藤さんは、「クリエイティブビッチ」と表現し、会場を沸かせました。
けれど、
「社内でコラボ相手をよく知る人が少なくても、
みんなで取り組んで、好きになる努力をすればいい」
「実際にやったことのないゲームコンテンツを半年間やりこんで企画した」
どんな条件下でも相手を徹底的に好きになって企画するという、
加藤さんの仕事に対するこだわりを感じました。
親に反対されても、「行きたい」と思える企画を。
企画を作るうえで大事なことは、
・そこに愛はあるのか?
・自分が本当に「行きたい」と思っているか?
たとえば、子供の頃の自分が親に反対されても、
「どうしても行きたい」というイベントになっているか。
これまでの人生で何が好きだったか、何を大事にしてきたか。
そこから面白い企画は生まれるといいます。
「何が当たって、何がスベるかなんて、やってみないと分からない。
失敗したとしても、このやり方は当たらないという貴重な情報になる」
この言葉には、失敗を恐れずにやってみることが大事だ、と勇気付けられました。
・企画は、身の丈に合った場所で、熱量を持ってつくる。
・携帯に入っている連絡先の相手と何ができるか企画を考えてみる。
・最初、すごい人を呼べなくても、予算がなくても、後からついてくる。
企画に対する加藤さんの信念も教えてくださいました。
プロデュースする自分と、ロックンロールな自分。
講義の後半は、事前に出された課題、
「有名人を使わずに100人集まるイベント」の企画書を1人ずつ講評。
今回はじめて無記名方式で提出されたため、
「誰がどのイベント案を企画したのか?」という謎が、
講評を通して解けていくというかたちになり、盛り上がりを見せました。
「あの人がこんなイベントを企画したんだ!?」という驚きや、
「この人らしいイベントだね」という納得感もあり、
お互いのことを理解しあえるコミュニティができつつあると感じました。
・やりたくないことを考えない。自分がやりたいことをやらなきゃだめ。
・「子供の頃に夢中になったものを、大人になってからもう一度やる」というサイクルに需要がある。
・「エンターテイメント+得」(健康+楽しい、など)は成功しやすい。
一人ひとりの企画書を見てもらう中にも、
企画のヒントが散りばめられていました。
最後に加藤さんがおっしゃった、
「論理的にプロデュースする自分と、
意志を貫くロックンロールな自分を持ちあわせ、
自分の中で自分に問いができるように」
という言葉に、企画生たちは大きな感銘を受けました。
講義の詳細はこちらの記事でもご覧いただけます。
次回のテーマは、松居大悟さんによる「映画の企画」です。